COPD(肺気腫+α)は、全身病といわれている

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療法についてのあるサイトの表現です


慢性閉塞性肺疾患(COPD)を治療する方法は現時点で存在していません。


治療は症状の緩和や進行を遅らせることを主な目的として行います。


具体的には、症状や生活の質を改善する、身体運動に必要な呼吸などの
 
機能と身体活動性の 維持や病気の進行を 遅らせると共に、症状を急激に悪化させ、
 
命の危険を引き起こす増悪(ぞうあく)を避ける対処方法の指導を行う。
 



今年6月(2009.11.17提供 日経メディカル)に日本呼吸器学会が発行した

「COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン第3版」には、

初めて「全身の併存疾患、合併疾患」という項目が設けられた。


COPDの全身的影響として、以下のように多くの疾患が挙げられている。

COPDの全身的影響

全身性炎症:炎症性サイトカインの上昇、CRPの上昇

栄養障害:脂肪量、除脂肪量の減少

骨格筋機能障害:筋量・筋力の低下

心・血管疾患:心筋梗塞、狭心症、脳血管障害

骨粗鬆症:脊椎圧迫骨折

抑うつ

糖尿病

睡眠障害

貧血

 

[COPD:閉塞性肺疾患から慢性全身性炎症症候群まで?]

PubMed(米国国立医学図書館 国立衛生研究所)
2009年12月
ソース:大学病院マーストリヒト、呼吸器医学科、6202 AZマーストリヒト、ニーダーランディー

要約

COPDは複雑で多様な疾患であり、
 
複数の遺伝子や環境因子が関係している。



この疾患は、全身的疾患の高リスクと
 
関連している。



COPD患者の大部分は、高血圧、糖尿病、
 
心臓病、骨粗鬆症、及び癌などの
 
慢性疾患に罹患している。



(中略)


COPDを肺の病気としてではなく、
 
慢性的な炎症性症候群という認識をして、
 
全体的な対処方法はさらなる改善を要する。

 

全身性炎症は、喫煙、太りすぎ、高血圧、
 
血中脂質の上昇などの危険因子を共有することによって


慢性疾患につながるメカニズムになっているようです。

 
 
このことに応答して、COPDの診断および治療は、
 
併存疾患の全実態を含めなければならない。

 

 

COPDが全身病であることのさらなる理解のために、

日経メディカルブログ:牧瀬洋一氏の「内科開業医のお勉強日記」に記された

「COPDは慢性全身性炎症症候群?」をそのまま転記させていただきました。

COPDは慢性の非可逆性の気流制限
COPDは慢性の非可逆性の気流制限で特徴付けられるが、有毒粒子やガスによる肺への異常炎症反応を伴っている。
画像診断、運動耐容能、BMIなどの評価が必要
COPDの臨床症状と気流制限の程度が相関するとはいえず、包括的なアプローチ、

すなわち画像診断、運動耐容能、BMIなどの評価が必要である。
心血管疾患、メタボリックシンドローム、特定の癌に関係する。
喫煙、吸入毒性物質:COPDだけでなく、心血管疾患、メタボリックシンドローム、特定の癌に関係する。

・骨格筋異常、高血圧、糖尿病、冠動脈疾患、肺感染症、癌、肺血管疾患の合併症が多い。
心血管疾患や癌で死亡する。
COPD患者は、主に非呼吸器疾患、心血管疾患や癌で死亡する。
20%以上が慢性心不全を合併、70%は骨粗鬆症

合併症はともに発症し、20%以上が慢性心不全を合併、

70%は骨粗鬆症(ステロイド使用の有無と無関係に)、

身体活動性の低下を生じる。

COPD患者の50%以上がメタボリックシンドロームを有し、20~30%に糖尿病

小規模研究であるが、COPD患者の50%以上がメタボリックシンドロームを有し、

20~30%に糖尿病、20~30%に貧血があり、肺高血圧、冠動脈疾患・PADなどの合併がある。

糖尿病は、肺機能低下と独立して相関があり、肥満はさらにCOPD重症度を増加

2型糖尿病の70%は高血圧とリンクしており、80%以上で肥満を有する。

・糖尿病は、肺機能低下と独立して相関があり、肥満はさらにCOPD重症度を増加させる。

喫煙、高脂血症、肥満、高血圧といったものの共通のメカニズムは、全身性炎症である可能性がある。

喫煙、高脂血症、肥満、高血圧といったものの共通のメカニズムは、全身性炎症である可能性がある。


CRPは「chronic systemic inflammatory syndrome」を構成する疾患のすべてで増加することは、

この疾患の戦略的biomakerとなり得る。

メタボリックシンドロームは、共通な背後の病態生理的な所見

メタボリックシンドロームは、コモンな背後の病態生理的な所見(例えば、インスリン抵抗性)を基に定義されている。

このパラダイムは有益である。

糖尿病、肥満、高血圧と同時発症するものを組み合わせた1つ以上のリスク要因のとらえ方は、

糖尿病、肥満、高血圧と同時発症するものを組み合わせた1つ以上のリスク要因のとらえ方は、

包括的診断アプローチにパラダイム・シフトをもたらした。


ライフスタイルの変容という方法に帰着するという点で、同時に対処・治療しなければならないという面で重要である。

COPDは、動脈硬化炎症を伴い、全身の血管に石灰化が伴う可能性がある

「COPD患者は、動脈硬化になりやすいのでしょうか?」と、尊敬するCOPD・呼吸不全領域で著名な先生に

聞いたことがあるが、その答えは当時は「NO!」であった。まだ、動脈硬化炎症論が提唱されない20年ほど前の話だから、

仕方がないのだが…。


この話を裏返せば、COPDは、動脈硬化炎症を伴なうということのようです。

牧瀬洋一(牧瀬内科クリニック院長)●まきせ よういち氏。1984年鹿児島大卒後、同大第一内科入局。大隅鹿屋病院などを経て、95年牧瀬内科クリニック(鹿児島県大崎町)開業。