慢性的な炎症が疾患の悪化を進行させ、ヒストン脱アセチラーゼの減少を招く

 

2005年にイギリス、インペリアル·カレッジ、国立心臓肺研究所、

ピーターJバーンズ、DM・イアンMアドコック・伊藤和弘博士らによって

 

COPD及び喘息に関して詳しく報告されている記述で、

ヒストンのアセチル化および脱アセチル化が、

およぼす炎症性肺疾患における重要性が述べられています。

 

以下に理解することが大変難しいCOPDの疾患悪化への主要なメカニズムの概要を記すことで、

この難病を多少でも認識できる方向性が示せればと考えます。

 

COPD(肺気腫+α)におけるヒストン脱アセチラーゼ活性の減少

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は,病態の進行と共に重症度を増していく

慢性的な気道炎症によって特徴づけられています。

 

病状が悪化していくCOPD患者の末梢肺組織において疾患の重症度と

ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)活性の低下との関連について検討された。

 

ヒストン脱アセチラーゼHDAC)は、

肺胞マクロファージにおける炎症性サイトカイン産生の抑制にかかわる重要な分子です。

 

非喫煙者,健常喫煙者を含むさまざまな重症度の COPD 患者,肺炎患者,嚢胞性線維症患者から

外科的に切除した肺組織標本の核抽出物について,

ヒストン脱アセチラーゼ(HDAC)活性と

ヒストンアセチル基転移酵素(HAT)活性を測定しました。

 

肺組織およびマクロファージから抽出した全てのリボ核酸(RAN)は、

ヒストン脱アセチル化酵素8(HDAC8)及びインターロイキン8を

介して定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応測定を行なった。

 

ヒストン脱アセチル化酵素2(HDAC2)タンパク質の発現は

ウエスタンブロット法を用いて定量化しました。

 

COPDの臨床病期が進行していくにつれての患者から得られた肺組織標本では、

 

インターロイキン-8 のメッセンジャー RNAmRNA)と

インターロイキン- 8 プロモーターにおけるヒストン-4 アセチル化が

増加していた。

 

ヒストン脱アセチル化酵素2HDAC2)蛋白の発現もまた,

疾患の重症度が高い患者ほど低かった。

 

結論

COPD 患者では,総ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)活性が,

疾患の重症度を反映して漸進的に低下している。

 

 

出典 
The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE
Eur Respir J 2005; 25
Decreased Histone Deacetylase Activity in Chronic Obstructive Pulmonary Disease

 

COPD(肺気腫+α)に罹患する原因は、主に喫煙習慣による酸化剤が肺組織への浸潤した結果である

 

CODPは、主に長年の喫煙習慣による酸化剤の吸入が肺組織に浸潤しており、

その量的なものと老化や家族歴などの要因によって発症する時期や症状の進行度が異なりますが、

 

一度発症してしまうと治癒させる薬剤がなく、重症化していく困難な病とされています。

 

このようにCOPD患者において症状の悪化とともにヒストン脱アセチル化酵素(HDAC2

減少していくこと、そのものがますます疾患の重症化を招いてしまう。

 

特に、酸化剤が肺組織に浸潤しているということは、活性酸素による酸化ストレスが常に産生され

炎症を引き起こすとされるマスタースイッチ、NF-kB(エヌエフ・カッパービー)が

オンのままになった状態と考えると慢性的な炎症も理解できます。

 


慢性的な炎症を抑制するには、症状の悪化とともに減少してしまう、

ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC2)をアップレギレーション(発現上昇)することが、

重要になります。

 

慢性的な炎症を抑制する酸化防止剤としてと、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC2)を

アップレギレーションするエビジェネティックな働きを持つ天然ポリフェノール、

ターメリックのクルクミンやレスベラトロールなどの可能性が示唆されています。