COPD(肺気腫+α)は、全身病であり、死因のトップに推測される!
厚生労働省の統計によると2017年のCOPDによる死亡者数は18,523人でした。
COPDは20年以上の喫煙歴を経て発症する病気です。
日本でも過去の喫煙率上昇の影響がCOPDによる死亡者数を増加させてきたと考えられます。
順天堂大学医学部の福地氏らによる大規模な疫学調査研究NICEスタディ(2001年発表)の結果、
日本人の40歳以上のCOPD有病率は8.6%、患者数は530万人と推定されています。
しかし、2017年の厚生労働省患者調査によると、病院でCOPDと診断された患者数は22万人です。
つまり、COPDであるのに受診していない人は500万人以上いると推定されています。
多くの人々が、COPDであることに気づいていない、または正しく診断されていないことになります。
日本におけるCOPD死亡者数(1996-2017年)
●40歳以上のCOPD有病率は8.6%、患者数は530万人
順天堂大学医学部の福地氏らによる大規模な疫学調査研究NICEスタディ(2001年発表)
日本におけるCOPD有病率
厚生労働省「平成26年患者調査の概況」によると慢性閉塞性肺疾患(COPD)の
総患者数は26万1,000人、死亡数は年間1万8,523(2019年10月30日)と総患者数の7.1%にあたる。
一方、順天堂大学医学部の福地氏らによる大規模な疫学調査研究NICEスタディ(2001年発表)によると
40歳以上のCOPD有病率は8.6%、患者数は530万人と大きな差となっている。
ちなみに530万人からCOPDの26万人を引いた患者数に7.1%を単純に当てはめてみると、35万2800人となる。
COPD(肺気腫+α)で死亡されたと推定される死者数
病名 | 死亡者数 | COPD(43%) |
悪性新生物(ガン) | 373,334 | 160,534 |
心疾患 | 204,837 | 88,080 |
脳血管疾患 | 109,880 | 47,348 |
肺炎 | 96,841 | 41,642 |
誤嚥性肺炎 | 35,788 | 15,389 |
合計 | 820,680 | 352,892 |
悪性新生物による死亡者数の373,334人から内、COPDによる死亡者数とみられる
160,534人を引くと212,800人となり、COPDで亡くなられたとみられる352,892人と比較すると、
COPDの死亡者数が断トツの1位になってしまう。
COPD(肺気腫+α)は、全身病である
信州大医学部保健学科教授で呼吸器・感染症内科の藤本圭作氏によると
「COPDは単なる肺の炎症ではなく、全身の炎症だという認識が広まってきた」と話しています。
その理由として、COPD患者は別の疾患を併発している場合が多いことや、COPD患者の死亡原因が、
呼吸不全などの肺に直接関わる疾患でなく、癌や脳血管障害などが多いことなどを挙げています。
実際、2009年に日本呼吸器学会が発行したCOPDの診断・治療ガイドラインにも、
糖尿病、骨粗鬆症、心血管疾患など肺以外の疾患がCOPDの「併存症」として明記され、
COPDの診療において、全身の病態を考慮すべきことが盛り込まれています。
COPD(肺気腫+α)は、全身病
COPDは、恐怖の脳ホネ心臓ボロボロ病だった(NHK発信