COPDは肺気腫と慢性気管支炎からなる疾患と定義されていたが、
今日ではタバコ煙を主に有害物質を長期に吸い込むことで生じた肺の炎症疾患と定義されています
厚生労働省の統計によると2019年のCOPDによる
死亡者数は17,836人で、2018年に最高値を記録しています。
COPDは、およそ20年以上の喫煙歴を経て発症する病気で、
日本でも20年前の喫煙率上昇の影響がCOPDの
死亡率を高めていると考えられています。
いまだ喫煙率が高く、喫煙開始年齢が若年化している日本では、
今後さらに患者数が増加することが懸念されています。
特に女性の場合、男性より肺が小さくてその体積に比べ、
相対的に気管の容積が大きくなるため、
気道が外部からの刺激に過敏に反応しやすく発症するケースと
閉経後、女性ホルモンのエストロゲンが少なくなることで
COPD発症のリスクが高められる場合があるということです。
今後は女性の死亡者数もかなり増大する傾向にあります。
ウエブサイトにて西園寺 克氏(臨床細菌学、臨床薬理学、臨床免疫学を専攻)が、
大変ショッキングな表現ですが、COPDに関して分かりやすく説明をされています
COPDについて認識を深めるために、あえて要点を引用させていただきました。
【COPD(慢性閉塞性肺疾患)は呼吸不全で死亡します】
COPD(慢性閉塞性肺疾患)は肺の構造が壊れて、息を吐く事が困難になります。
最終的には呼吸不全で死亡します。
診断には呼吸機能検査が必要です。
予防には禁煙しかありません。
肺が縮まなくなるのが『肺気腫』
空気が抜けにくいのが『慢性気管支炎』
肺をゴム風船に例えて、肺の構造の壊れ方を説明します。
何回も膨らませた風船のように、肺が縮まなくなるのが、『肺気腫』です。
風船の空気の抜ける部分が狭くなって、空気がなかなか抜けないのが『慢性気管支炎』です。
肺気腫も慢性気管支炎も慢性の咳や痰を伴います。
【COPD患者の大部分は両方の病気にかかっている】
大部分の患者さんは両方の病気にかかっていて、
息が速く吐けずに、また吐いた後で息を吸うことが困難です。
そのために、普段は平気でも、階段を上がったり、信号で走ったりして、
体を動かした時に、呼吸困難になるのが特徴です。
【COPDの診断には呼吸機能検査が必要です】
WHO(世界保健機構)の統計では、COPDは、死亡順位の第4位になっています。
日本の厚生労働省の2000年の統計では、COPDは、死亡順位の第10位となっています。
この差は、日本ではCOPDでも正しい診断がされていないために、隠れCOPDが多いためです。
COPDの診断には、どれぐらいの割合の空気を吐き出す事ができるかを調べる呼吸機能検査が必要です。
ある疫学調査では、40才以上に限れば1/12、約500万人の患者がいるという報告もあります。